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Vol.1 プロへの挑戦
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2001年に設立され、“アベレージゴルファーが楽しくゴルフするためのクラブ創り”に専念してきたAKIRAが2007年、プロサービスへ乗り込む決意を固めた。 2007年は、AKIRAにとって誇るべきそして記念すべき年だ。『2007年度版 間違いだらけのゴルフクラブ選び』(岩間建次郎著 講談社ビーシー刊)のドライバー部門・ユーティリティ部門の2部門で、 最優秀グランプリを受賞したのである。 創立以来目指してきた“アベレージゴルファーが楽しくゴルフをするためのクラブ創り”に対し、良い評価を得られつつあると肌で感じたのが、この2007年だった。 AKIRAを使用してくださったゴルファーから感謝の手紙などを頂くと、とても嬉しく、そして誇らしく思った。自身の仕事が誰かの喜びに繋がっているのだと知った時、 人はそこに仕事への信念を貫けるものなのだと実感したのである。初めて、“何か”に少し認めてもらえた気がした。そして「ならばもっと」と、 さらに夢が広がったのだ。この受賞がターニングポイントになり、プロの世界に挑戦してみたいと思った。クラブ1本の存在が、常に結果に影響を及ぼすシビアな世界に、足を踏み入れてみたくなったのである。 クラブの良し悪しが勝負を大きく左右する。ぞくぞくしてきた。自動車メーカーとして例えるなら、F-1レース参戦の心境である。シャーシ・ボディ・エンジン・タイヤという車体だけではなく、 ピットクルーに至る全ての環境が勝敗に左右する。我々は、F-1で言えばプライベートチーム程度の規模であった。しかし、シャーシ・ボディ・エンジン・タイヤを作っている工場が限られている以上、 総監督・開発者・ピットクルーの仕事次第で、大手チームとも対等に渡り合えるはずだと考えた。 AKIRAの挑戦は、こうしてスタートしたのである。 |
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Vol.2 プライベートチームはどんな戦い方をすれば勝てるのか?
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まず最初に浮かんだのは、開発力の強化だ。何といってもこれが全てを左右する。培った知識と技術に自信はあったが、 少人数で戦っているチームであるがゆえ、その時点で開発者は一人だけだった。その時に思った。「常識に捉われてはいけない。 良い結果を生み出せると思えるならば、誰が相手でも手を組もう」と。航空業界も電機業界もアライアンスの時代。今までライバルだった人たちも、 手の組み方次第では未来を開くためのパートナーとなる。ゴルファーにとってベストのクラブを提供することが、唯一にして絶対の答えなのだ。 そのための過程に最善を尽くすことこそが、我々の行うべき“仕事”であると考えた。 次に、契約プロの模索だ。プロは、例えるならF-1ドライバーにあたる存在と言える。勿論、強いに越したことはない。しかし、我々が契約プロに求める要望は、最初から決まっていた。 1. プロとしてファンサービスが出来ること 2. クラブ開発への意欲があること 3. 末長く共に戦い、共に成長できること 4. 我々社員と同様にAKIRAを愛してくれること プライベートチームに、A.セナやA.プロストなどのスーパースターは不釣り合いなのである。プライベートチームには、プライベートチームの戦い方がある。プロとの話し合いは、契 約金ありきではなく、今後どのようにして夢を共有出来るのかが最大のキーポイントだった。 次に、ピットにあたる存在…すなわちツアーバスについてだ。どんなツアーバスを用意すればいいのか?本音を言えば、何も解らなかった。 『ゴルフギア』という月刊誌に掲載されていた他社のツアーバスの記事を、全て読み漁った。そして多くのメーカーが、トレーラーサイズのツアーバスを持っていることを知った。 しかし自分たちの身の丈を考えれば、TOYOTAコースターくらいがベストサイズだ。改造業者に相談をし、共に『ゴルフギア』を見ながら、図面を作成していく。 新しいものが生まれてくる瞬間は、素直に楽しかった。実際に使い始めれば、不具合も出てくるだろう。しかし、それもまた自分たちのノウハウとして蓄積されていくのである。 最初に作るバスは、他社の足元にも及ばないかもしれない。しかし、新しい事に挑戦し成し遂げる、社員の力が残るのだ。これは、価値ある大きな財産である。この先、何が起きても、自分で解決できる力がつくのだから。 最後に、プロとの橋渡しとなるプロサービス担当者の存在を考えた。言わばピットクルーに相当する存在だ。クラブを作るクルーが一人、プロとコンタクトするクルーが一人、 計二人の人材が必要であると思っていた。とは言え、AKIRAの社員全員がプロサービス未経験。一人だけ、スキーの選手サービスをしていた人間がいる程度だった。暗中模索の険しい仕事となることは、 最初から予想がついていた。だから、手探りの中の指標となるように、ひとつだけルールを決め、ひとつだけ夢を持った。誰にでも大きい声で丁寧に挨拶する、というルール。1/3の選手が、 14本のうち一本でもAKIRAクラブを使って戦うようになる、という夢。ひとつずつのルールと夢を携えて、クルーは動き始めたのである。 |
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Vol.3 クラブ戦略
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実際にシード選手と話を始めると、プロパー品のクラブの評価は高く、 多くの選手にAKIRAのポテンシャルを認めていただけた。だが実際に試合でクラブを使う際には、クラブに対し様々な調整を施す場合が多い。 プロパー品をそのまま使用することはあまりない。そのために、プロの好みに合わせて柔軟な対応が出来る、懐の深さをもっていたいと考えた。 ゴルファーはクラブに関して、好みの顔、好みの打感、好みのフィーリングなど、十人十色のこだわりがある。そのこだわりにより柔軟に対応していくために、 どんな手段が用意できるだろうか?そうして考え出したのが、ヘッドパーツの常備だ。プロパー品になる前の試作段階のヘッドを、『PROTOTYPE』という名でプロ専用のものとして用意しておき、 細かなプロの要望に応えるクラブ作りが行えるように環境を整えたのだ。 すでに完成しているクラブやヘッドに要望を反映させるための「調整」という手段以外に、プロの要望に合わせゼロから「作製」するという手段。 「調整」と「作製」、この二つを積み込んだツアーバスをゴルファーの手元に届けよう。そして、プロだけが使っているヘッドを、本当に欲しい人だけには手に入れられるようにしよう。 ここで『PROTOTYPEの会』のコンセプトが誕生した。 |
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Vol.4 クラブ開発をして思う事 |
現在、世に出回っている多くのクラブは、そのほとんどが特効薬のようなものだと思う。 例えばスライサーにはスライスが出ないようフックフェースのクラブを、フッカーにはフックが出ないようスクエアフェースでライ角のフラットなクラブを、 それぞれの症状に合わせた特効薬のように使用している。 だが、いつも薬を服用しているということは、根治治療はしていないという証拠に他ならない。そもそも、自分の健康な状態がどのようなものなのかが解らなければ、 薬とて処方のしようがないはずなのだ。スライサーであればスライスが出る。フッカーであればフックが出る。自分の調子が悪い時、どの程度調子が悪いのかを教えてくれる、 素直なクラブが必要なのではないだろうか、と考えた。本人の体の動きをそのままヘッドに伝え、そしてボールに伝える、自分自身をありのままに投影する鏡のようなクラブが。 |
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